仮移住してまだ2週間。私たち家族は、初めて「matane」主催の“ぶつぶつ交換会”に参加しました。手作り品を持ち寄って地域の方と交換する、というシンプルな仕組みながら、そこには想像をはるかに超える温かさと発見が詰まっていました。
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「ぶつぶつ交換会」とは?
「matane」が定期的に開催している地域交流イベントのひとつ。ルールはとてもシンプルで、“手作り品”を持ち寄って、同じ数だけ他の人の品物と交換できるというもの。
驚いたのは、手作り品なら何でもOKという点。料理でも、雑貨でも、趣味の作品でもOK。手作りが苦手な方は、家族や友人が作ったものを持参するのもアリなのだそう。
木の温もりの中で始まった朝のひととき
会場は、緑に囲まれたウッドデッキ。朝8時半、一斉に交換会がスタート。中央に並べられたたくさんの手作り品を囲んで、それぞれが自己紹介や品物の説明をしていきます。清々しい朝の空気、木漏れ日、そして笑顔。まるで小さな市場のような光景が広がっていました。

ケーキや漬物、お茶、そしてなんと鹿の肉まで──。地域の方々が持ち寄った品々はどれも驚くほどのクオリティ。私たちは名古屋の畑で収穫したじゃがいもを持参しましたが、「これでいいのかな…?」と内心ちょっぴり不安になるほど。
鹿のヒレ肉、手作りズボン…いただいた“贈りもの”たち
それでも、私たちのじゃがいもは喜んで受け取っていただき、交換していただいたのは、鹿のヒレ肉(人生初!)、手作りケーキ、漬物、お茶の葉、ポーチ、キーホルダーキット、そして手作りのズボンまで。

特に鹿のヒレ肉は、一頭から少量しか取れないという貴重な部位。まったく臭みもなく、驚くほど美味でした。調理方法も教えていただいたのですが、「強火で焼くとすぐに固くなってしまうから、弱火でじっくり焼くのがコツ」とのこと。炭火だと水分が飛びやすいため、フライパンで優しく加熱するのがベストだそうです。

漬物のレシピもいただきました。「ジップロックに、野菜を入れて、かんたん酢で漬けるだけ。にんにくやオリーブなど」と教えてもらい、さっそく我が家でも試してみたくなりました。
そして手作りズボンは、涼しくて肌触りもよく、夏にぴったりの一着。あまりに快適だったので「上の服もあったら欲しいね」と家族で話していたほどです。
会話の中から見えてきた“暮らしのヒント”
交換会は、単なるモノのやりとりではなく、人とのつながりの場。参加者同士の会話からは、地元ならではの暮らしの知恵や、子育ての話、自然と共に生きるヒントが次々と飛び出します。
仮移住したばかりの私たちにとって、これは本当にありがたい情報源でした。特に、これまで自分が関わってこなかったような年齢や職業の方々と接する機会が増えたことで、視野が広がっているのを実感しています。
「また来たい」と思わせてくれる“matane”の魅力
イベントを主催しているのは、「matane」のだいちゃんと、たんたんとスタッフの方々。mataneの方々の人柄がとにかく温かくて、話していると自然と「またここに来たい」と思えてしまうから不思議です。
「matane」では今回の交換会のほかにも、登山、狩猟体験など、自然と人をつなぐさまざまなイベントが開催されています。次回参加予定の「もりのようちえん」も、今からとても楽しみです。
「手作り」がつなぐ心と心
中伊豆での暮らしが始まって間もない頃に体験したこの交換会は、私たち家族にとって「人とつながることの温かさ」を実感する大きなきっかけになりました。
一つひとつの手作り品には、その人の想いや時間が込められていて、それを通して自然と会話が生まれる。この温もりある場を、これからも大切にしていきたい──そう感じた一日でした。
